![]() 2016 年最初のTHINK_61 は、建築家の伊東豊雄さんをお招きします。 伊東さんは、菊竹清訓設計事務所勤務を経て、1971 年アーバン・ロボット(現在の伊東豊雄建築設計事務所)を設立以降、様々な建築をつくられ、その作風は禁欲的でミニマルな建築、メディア的建築、実験的で官能的な建築と変化し、常に新しいものを生み出して来られました。そして2013 年には「40 年以上にわたり優れた建築物を創出し、建築の可能性を追求してきた」として、建築会のノーベル賞といわれる「プリツカー賞」を受賞!来年秋に10 年の歳月をかけオープンする台中国立歌劇院を、伊東さんは、これまでの建築生命を賭けた集大成であり、美しい空間、個人のオリジナリティを追求してきた空間至上主義においてはこれ以上の作品は今後再びつくる事は出来ないとまで言われています。 また、新国立競技場の2012 年国際コンペに参加、その後、2014 年には旧国立競技場の改修案を発表されました。それも「見直す時間はない」と耳を貸してもらえなかったそうです。それでも、2015 年の再コンペに参加。その結果より大切な事、挑み続ける姿勢、追求し続ける姿勢。世界から重要な建築家として認められ、巨匠と呼ばれている伊東さん。素晴らしい建築を残して行くだけでなく、建築に対するこの姿勢こそが、そう呼ばれる理由なのではないでしょうか。 そんな伊東さんが、40 年以上の活動を経て考えている事は、「批判をしないで建築をつくることができないか」。建築家という鎧を捨てたところで人と話し、自分がそこで何を感じ、そこからどんな建築ができるかを考えるという単純なこと。その活動として、2011 年には「伊東建築塾」を開校され、小学生からお年寄りまで、様々な方に「建築についての思い」を伝える活動を始められ、同年、東日本大震災の際には、被災地の方々と同じ目線になり、住民の方々の憩いの場所「みんなの家」プロジェクトに精力的に取り組まれています。 伊東さんの追求すること、挑み続けること、思いを伝えていくこと、この志の強さを今回のTHINK で感じ、皆さんの活力にして頂けたらと思います。
THINK_61_伊東豊雄 日時:1月22日(金)
※椅子席は先着100席までとなります。以降は立ち見となります。
Guest_伊東豊雄 1941 年生まれ。65 年東京大学工学部建築学科卒業。主な作品に「せんだいメディアテーク」、「多摩美術大学図書館(八王子)」、「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」、「台湾大学社会科学部棟」、「みんなの森 ぎふメディアコスモス」など。現在、「台中国立歌劇院」(台湾)などが進行中。日本建築学会賞作品賞、ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞、王立英国建築家協会(RIBA)ロイヤルゴールドメダル、プリツカー建築賞など受賞。東日本大震災の復興活動に精力的に取り組んでおり、住民の憩いの場として提案した「みんなの家」は、2015 年7 月までに14 軒完成した。2011 年に私塾「伊東建築塾」を設立。これからのまちや建築のあり方を考える場として様々な活動を行っている。また、自身のミュージアムが建つ大三島においては、2012 年より塾生有志や地域の人々とともに継続的なまちづくりの活動に取り組んでいる。 |